心理士カウンセラーのブログ
Psychological counselor Weblog
【WISC4(ウィスク4)検査の結果から考えるアプローチ法】
2021.07.15
不登校傾向があったり
グレーゾーンだったり
長年、様々な悩みを持つ親御さんの
カウンセリングをおこなっていると
皆さん一様に
「子どもとの接し方に悩んでいる」
「小さい頃から何を試してもなかなか望むようにならない」
とおっしゃったりします。
今回はWISC4(ウィスク4)検査の結果から考える、
正しいアプローチ法です。
WISC4(ウィスク4)検査の数値で注視すべきポイントは何でしょう。
【WISC4(ウィスク4)検査におけるFSIQ(全検査IQ)とは】
WISC4(ウィスク4)検査には、
FSIQすなわち全検査IQ
というものがあります。
これは、その子どもの全体的なIQをさします。
よくアニメや漫画などで
「IQ200の天才!」
が出てきます。
WISC4(ウィスク4)検査には
IQ200はありません。
WISC4における最大値は160です。
さて、そのFSIQ(全検査IQ)ですが
概ね80を下回ると
周りの子どもと多少異なると感じるかもしれません。
80を下回ると
お子さんは、グレーゾーンとなる可能性があるからです。
グレーゾーンは病名ではありません。
ご安心ください。
ただ、色々なことをおこなうのに
少々困難が生じるくらいの感じです。
では、FSIQ(全検査IQ)が
70を下回ると
だいぶ個性的な子どもである可能性が
高いでしょう。
おそらく、日常生活に不都合を感じるはずです。
【WISC4(ウィスク4)検査の結果から考えるアプローチ方法とは?】
さて、ではWISC4(ウィスク4)検査の結果を踏まえ
お子さんの
どういったところを
どのように改善していけば
良いでしょうか。
例えば、親の言うことを
なかなか聞かない子がいたとします。
指示を出しても行動しない、
約束しても約束を守らない、
怒っても、少しするとケロっとしてる、
これが続けば、困りますよね。。。
では、WISC4検査において
どんなアプローチ法が考えられるでしょうか。
VCI(言語理解指標)が低いと
親御さんが出した指示の意味が
分からない可能性があります。
指示が理解できなければ
当然、行動はできないですよね。
約束をしても
VCI(言語理解指標)が低ければ
その約束の意味が
理解できていない可能性があります。
約束の意味が分からないのであれば
当然、約束を守れないですよね。
【先の見通しが立てられないかも?】
テレビをダラダラ見てる子どもに対して
「早く寝ないと明日、起きれないよ!」
と声を掛けても
一向に寝る準備をしません。
または、
「早めに夏休みの宿題をやっておかないと
8/31に泣きながら
宿題をやることになるよ!」
と言っても
「大丈夫、大丈夫!」
といって、夏休みの宿題に手をつけません。
案の定、8/31になって
泣きながら宿題に取り組むのです。
これらは、先の見通しを立てる力が
弱いことに起因しています。
先の見通しを立てる力は
WISC4(ウィスク4)検査でいうと
PRI(知覚推理指標)になります。
すなわち、
PRI(知覚推理指標)が低いと
「今、これをやっておかないと後々に後悔する」
「こんなことを言ってしまったら後にきっと後悔する」
ということが想像できないのです。
【理解力はあるのに、話を聞いていない気がする…】
子どもに指示を出した際、
理解力はあるのに
行動があまり伴わないことがあります。
それは、一体どういうことなのでしょうか。
小学生であれば
成績が良いということもあります。
理解力があるということは
WISC4(ウィスク4)検査における
VCI(言語理解指標)は高い、
ということになります。
ですが、
行動が伴わない。。。
このような状況で考えられることは
聴覚の短期記憶の低さです。
WISC4(ウィスク4)検査でいうと
WMI(ワーキングメモリ指標)が弱い、
と聴覚の短期記憶が弱くなる傾向があります。
聴覚の短期記憶が低いと
言っている意味は分かるければ
少し時間が経つと
聞いたことを
忘れてしまう、ということになります。
これは、本人に悪気は全くなくて
ただ単に、耳からインプットした情報は
抜け落ちる可能性が高い、
ということを示唆しているのです。
耳からインプットした情報が
抜け落ちる可能性が高いのであれば、
どうすれば良いのでしょうか。
そうです。
耳ではなく、目から情報を
インプットしてみるのです。
先ほど、耳からの情報のインプットは
WMI(ワーキングメモリ指標)と
お伝えしました。
では、目からインプットした情報の
短期記憶はWISC4検査において
何になるのでしょうか。
目からインプットした情報の
短期記憶は、PSI(処理速度指標)になります。
したがって、WMI(ワーキングメモリ指標)が
もし低い場合は、
PSIの数値を確認してみてくださいね。
PSI(処理速度指標) > WMI(ワーキングメモリ指標)
であれば、聴覚よりも
視覚からの方が記憶しやすい傾向がある
ということになります。
それであれば、子どもへの指示出しは
声ではなく、目で見ることができる指示出し
になるという訳です。
それでは、また。。。
松陰高等学校 高松・丸亀校
心理士/カウンセラー 車重徳
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