心理士カウンセラーのブログ

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【わけもなく心が揺れる思春期の反抗的な我が子への接し方】

2025.02.27

思春期を迎えた子どもを持つ保護者の皆さん、

毎日の子育て、本当にお疲れさまです。

私自身、多くの親御さんの悩みに

寄り添いながら日々過ごしています。

特に近年、「思春期の子どもが反抗的で困っている」

「わけもなくイライラしているみたいで、どう接したらいいかわからない」

という声が増えている印象があります。

そこでここでは、思春期の子どもの心の変化や、

保護者がとるべき具体的な接し方について、

分かりやすくご紹介したいと思います。

《思春期ってどんな時期?》

思春期とは、おおむね小学校高学年から中学生、

高校生にかけての時期を指し、

身体的にも精神的にも大きな変化を迎える過渡期です。

ホルモンバランスが急激に変わり、

体格や外見だけでなく、

心のあり方や対人関係にも影響が現れます。

多くの子どもたちは、以下のような特徴を持ちやすくなります。

身体的変化

 声変わりや身長の急激な伸びなど、自分でも戸惑うほど急な身体的成長

感情の起伏が激しくなる

 ちょっとしたことに過剰に反応し、イライラしたり落ち込んだりしやすい

自我の芽生え

 「自分らしさ」や「大人に近づく自分」を感じたくなり、親の管理から離れようとする

周囲の目を気にする

 友達やクラスメイトにどう思われるかが気になり、自分の価値観や行動に迷いが生じる

この時期の子どもは、

「子ども扱いされたくないけど、まだ大人としての責任や経験が足りない」

というアンバランスな状態です。

心も身体も過渡期なので、わけもなくイライラしたり、

理由もないのに落ち込んだりするのは、

ある意味、当然のプロセスと言えます。

親御さんが思春期という時期を

正しく理解することが、まず最初のステップです。

《親御さんがまず知っておきたい、思春期の子どもの心理》

「うちの子、最近まともに会話もしてくれない」

「LINEで連絡しても素っ気ない返事しかこない」など、

思春期の子どもと向き合う際には、

多くの親御さんが一様にストレスを感じるものです。

ここでは、思春期特有の子どもの心理をいくつか挙げてみます。

自立への強い欲求

思春期は、大人へ向けての自立意識が芽生える時期でもあります。

親の指示や干渉に対して「うるさい」「わかってるよ」と

拒否反応を示すことも増えがちです。

しかし、この拒否は「親のことが嫌い」というより、

「自分で考えたい」「自分で選択したい」という自立心の表れでもあるのです。

自分の居場所を模索する

友達グループやSNSなど、親以外のコミュニティに

自分の居場所を求めるようになります。

親にとっては寂しいかもしれませんが、

子どもにとっては「仲間内での評価」や

「そこにいる自分のポジション」が大きな意味を持ちます。

大人と子どものはざまで揺れる

一人前の発言や行動を見せる一方、

突如幼い表情に戻って甘えてくる瞬間もあるなど、

コロコロと心の状態が変わります。

これは思春期の典型的な心理であり、

本人も自分の変化に戸惑っているのです。

これらを念頭に置くと、

「反抗的な態度ばかりが目立つけれど、

実は子どもの内面では自立に向けた成長が進んでいる」

と理解できるでしょう。

表面的な態度に振り回されるよりも、

その裏にある「揺れ動く気持ち」を想像してみると、

少しだけ視野が広がります。

《「わけもなく反抗する」理由とは?》

思春期の子どもが「わけもなく」反抗しているように見えるのは、

親からすると非常に悩ましいポイントかもしれません。

しかし、実際には「本当にわけがない」わけではありません。

彼らの心の中では、

身体の変化やホルモンバランスでイライラしやすい

友達関係で何かモヤモヤしたことがある

学校の成績や将来への不安が重なっている

親に対して言いたいことがあるが、うまく言葉にできない

とにかく今の自分が嫌で仕方ない(自己肯定感の低下)

といった要因が複雑に絡み合っていることが多いのです。

ただ、それを客観的に整理して

「実はこういう理由でイライラしてるんだ」

とは思春期の子本人も気づけないし、

うまく言い表せない場合がほとんどです。

また、親から見ると「些細なこと」に強く反発するように見えても、

子どもの中では深刻な問題として膨れ上がっているケースもあります。

たとえば、友達グループの中での小さなトラブルや

クラスでの一言が、子どもの心を大きくえぐり、

それが家庭内での態度として現れることがあるのです。

《反抗的な態度に対する“NGな対応”とその理由》

思春期の子どもの反抗的な態度に接する際、

ついやってしまいがちだけど逆効果になりやすい対応があります。

ここでは、その主な例と理由を挙げます。

感情的に怒鳴る・叱る

「親に口答えするなんて生意気!」「なんでそんな態度なの!」と

カッとなって怒鳴ると、子どもの心はシャットダウンしてしまいます。

思春期の子はプライドが高く、

叱責されると余計に反抗心を燃やすことが多いです。

子どもの態度を人格否定する

「こんな言い方をする子なんて最低!」

「あんたはダメな子だ」と言ってしまうと、

子どもは「自分は嫌われている」と感じてしまい、

親子の溝がますます深まります。

相手の存在そのものではなく、“行動”や“言葉遣い”を

指摘するのが鉄則です。

無視・放置

怒るのも疲れてしまい、「もう勝手にしなさい!」と突き放すと、

子どもは「自分は見捨てられた」と感じる可能性があります。

思春期の子は、反抗する一方で

大人に見守られたい気持ちも持ち合わせています。

説教を延々と続ける

長時間の説教や道徳的な説法は、

思春期の子どもには響きにくい場合がほとんどです。

途中から聞く耳を持たなくなり、

むしろ「早く解放してほしい」と苛立ちを増幅させる原因にもなりかねません。

これらの“NG対応”を避けるためには、

「目の前の態度に振り回されるのではなく、その奥にある感情を想像する」

「子どもの視点を想像しようとする」ことが何より大切です。

《思春期の子と上手につき合うための4つのステップ》

では、実際に思春期の子どもの“反抗”に

どう向き合えばよいのでしょうか。

ここでは4つのステップに分けてご説明します。

ステップ1:落ち着いて受け止める

子どもが反抗的な態度を取ってきたとき、

最初にやるべきことは「落ち着いて受け止める」ことです。

難しいかもしれませんが、深呼吸をして、

「この子は今、イライラや不安を抱えているんだな」

と客観的にとらえる努力をしてみましょう。

親が冷静さを失うと、火に油を注ぐ結果になりかねません。

ステップ2:感情ではなく事実や行動を指摘する

「どうしてそんな言い方をするの!」と感情的に否定するのではなく、

「今の言い方は、ママは悲しくなるよ」

「○○と言われると、あなたの気持ちを知りたいのに聞きづらくなるんだ」と、

“具体的にどの言動が問題で、どう感じたか”を伝えましょう。

子どもも、一方的に人格を否定されるよりは、

行動の問題点を指摘されるほうが受けとめやすいです。

ステップ3:子どもの気持ちをリフレクトする

子どもが反発してくる際には、

背後にある不安やストレスに寄り添いましょう。

具体的には、子どもの言葉を繰り返しつつ

「そんなにイライラしてるんだね」

「最近学校でいろいろあったの?」などと問いかけてみる。

無理に根掘り葉掘り聞き出そうとせず、

「話したくなったらいつでも話してね」というスタンスでいると、

子どもが安心して本音を吐き出せるタイミングが訪れることもあります。

ステップ4:選択肢を与え、責任を意識させる

思春期の子は自立心が高まっているので、

「こうしなさい」「それはダメ」と命令するだけでは反発を強めるばかりです。

そこで、「これとこれの方法があるけれど、あなたはどっちがいいと思う?」

というふうに、いくつか選択肢を提示して

子どもに考えさせるのも効果的です。

自分で決めると責任感が芽生えやすくなり、

トラブルが起こっても「自分の選択だったから」と学びにつなげられます。

《実際の親子関係で使えるコミュニケーションのコツ》

思春期の子どもと接するとき、

具体的にどのような言葉や態度が有効なのでしょうか。

ここでは、日々使えるコミュニケーションのコツをいくつかご紹介します。

褒めるタイミングを増やす

思春期になると「褒めるようなことなんてない」

と思ってしまうかもしれませんが、些細なことでも

良いところを見つけて声をかけてあげましょう。

たとえば「部屋片付いてるね」

「昨日より早く起きられたね」など、具体的な行動を褒めるのがポイントです。

アイ・メッセージ(Iメッセージ)で伝える

「あなたはダメだね」という言い方は

子どもの自己肯定感を下げ、反抗を促します。

代わりに「私はこう思う」

「ママはこう感じたよ」と、自分の感情を主語にして伝えると、

子どもは攻撃されたと感じにくくなります。

スキンシップや共同作業を活かす

「もう触らないで」と嫌がる子もいますが、

ちょっとした肩たたきやハイタッチなど、

無理のない範囲でスキンシップをとるのは良い影響を与えます。

また、一緒に料理をしたり、犬の散歩をしたり、

共同作業を通じて自然に会話が生まれる機会を作るのもおすすめです。

「聞く姿勢」を大切にする

子どもが何か話しかけてきたら、

できるだけ作業の手を止めて目線を合わせ、

「うん、うん」と相槌を打ちながら聞くこと。

忙しくても「あ、それで?」「なるほどね」

と受け止める姿勢を見せることで、

「自分の話をちゃんと聞いてくれるんだ」という安心感が芽生えます。

思春期の子どもが「わけもなく」反抗的に見えるとき、

実は多くの感情が渦巻いています。

自立したい気持ちや、不安、孤独感、

自己肯定感の低さが複雑に絡み合い、

「もう親になんかわかるわけない」と心の扉を閉じてしまうのです。

しかし、この時期の子どもは、

大人から見放されることを本当は望んでいません。

反抗的な態度をとりながらも、

やはりどこかで親の存在を必要としており、

受け入れられたいと願っています。

そのため「思春期の反抗は、

子どもが大人に近づくための一つのステップ」だということです。

反抗されると落ち込みますし、腹も立ちます。

それでも、子どもが本当に必要としているのは、

一方的に指示や説教をする親ではなく、

「あなたのことをしっかり見守っているよ」という姿勢を持つ大人です。

口出しする前に、まずは落ち着いて受け止める

行動や態度を否定するのではなく、その背後にある感情を想像する

子どもが自分の考えで行動できるような選択肢を与え、上手に背中を押す

失敗しても責め立てず、「じゃあ次はどうしようか」と一緒に考える

これらの積み重ねが、思春期の子の「反抗」という嵐を少しずつ和らげ、

親子の絆を強める土台になります。

そして何より、「大丈夫、うちの子は必ず成長していく」という確信を、

親自身が持ち続けることが大切です。

不安や戸惑いを感じたときは、信頼できる家族や友人、

専門家に相談してみてください。

ひとりで抱え込まなくても大丈夫です。

最後に、思春期の子どもと関わる中で生まれる喜びや感動も、

実はたくさんあります。

彼らが小さな子どもだった頃には見えなかった、

新しい一面を発見することも少なくありません。

反抗的な言動の奥にある「本当の気持ち」に気づけたとき、

親子関係が一段と深まる瞬間がやってくるはずです。

思春期という人生の大切なステージを、

「あんなに生意気で大変だったけど、今思えば成長の証だった」と、

将来笑顔で振り返ることができますように願っています。

私も、心から応援しています。

子どもたちが安心して大人への階段を上っていけるよう、

私たち大人が柔軟な心を持ち続け、愛情深く見守っていきましょう。

《最後に…》

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