心理士カウンセラーのブログ
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【WISC-Ⅴ検査におえる補助指標とは…】
2024.08.21
WISC-V(ウィスク5)検査では、
知能や認知機能を多角的に評価するために、
言語理解指標(VCI)や流動性推理指標(FRI)などの
主要指標のほかに、補助指標として
・量的推理指標(QRI)
・聴覚ワーキングメモリ指標(AWMI)
・非言語性能力指標(NVI)
・一般知的能力指標(GAI)
・認知熟達度指標(CPI)
が用いられます。
これらの補助指標は、
子どもの認知能力を
より詳細に評価するために重要で、
それぞれ異なる側面から
子どもの能力を測定します。
ここでは、各補助指標から何が分かるのか、
具体例を挙げて説明します。
《量的推理指標(QRI: Quantitative Reasoning Index)》
量的推理指標(QRI)は、
子どもの数量的な推論能力を評価します。
これは、数的な情報を使って論理的に考え、
問題を解決する能力に関連します。
量的推理指標(QRI)は、
数学や理科の科目で特に重要であり、
数値データを解釈し、
分析する能力を示します。
例えば、量的推理指標(QRI)が高い子どもは、
数学の授業で与えられた
複雑な数式問題を理解し、
解くことが得意です。
具体的には、
「3つの数字を使って、特定の合計になる
組み合わせを見つけなさい」
という問題に対し、
量的推理指標(QRI)が高い子どもは、
数値の関係性をすばやく理解し、
可能な組み合わせを
複数見つけることができます。
一方、量的推理指標(QRI)が低い子どもは、
数的推論に苦労し、計算ミスが多かったり、
問題の意図を理解するのに
時間がかかったりすることがあります。
《聴覚ワーキングメモリ指標(AWMI: Auditory Working Memory Index)》
聴覚ワーキングメモリ指標(AWMI)は、
子どもが聴覚情報を一時的に保持し、
それを操作して
課題を遂行する能力を測定します。
この指標は、口頭での指示を記憶し、
作業に反映する力を評価するもので、
特に言語に関連する学習や作業で重要です。
聴覚ワーキングメモリ指標(AWMI)が高い子どもは、
教師が口頭で指示した複数の手順を正確に覚え、
その順序通りに作業を進めることができます。
たとえば、
「次の文章を読んで、重要なポイントを3つ挙げ、
その後、まとめを書きなさい」
という課題において、
聴覚ワーキングメモリ指標(AWMI)が高い子どもは、
文章を読みながら重要なポイントを記憶し、
それを基にまとめを作成することが得意です。
一方、聴覚ワーキングメモリ指標(AWMI)が低い子どもは、
文章の一部を忘れたり、
指示された手順を間違えてしまうことがあります。
《非言語性能力指標(NVI: Nonverbal Index)》
非言語性能力指標(NVI)は、
言語に依存しない認知能力を評価する指標です。
これは、視覚的・空間的な情報を処理し、
問題を解決する能力を測定します。
非言語性能力指標(NVI)は、
特に言語によるコミュニケーションが難しい子どもや、
多言語環境で育った子どもに対して、
認知能力を評価する際に重要です。
非言語性能力指標(NVI)が高い子どもは、
パズルや視覚的な問題を解くのが得意であり、
図形の関係やパターンを理解する能力に優れています。
たとえば、非言語性能力指標(NVI)が高い子どもは、
ジグソーパズルを作成するときに、
ピースをどのように組み合わせれば
絵が完成するかを直感的に理解し、
素早く完成させることができます。
一方、非言語性能力指標(NVI)が低い子どもは、
ピースの組み合わせや
全体の構造を理解するのに時間がかかり、
誤った組み合わせを試みることが多くなります。
《一般知的能力指標(GAI: General Ability Index)》
一般知的能力指標(GAI)は、
ワーキングメモリ指標(WMI)や
処理速度指標(PSI)を除いた、
子どもの全体的な知的能力を評価する指標です。
これは、言語理解指標(VCI)と
視空間指標(VSI)、流動性推理指標(FRI)の
3つの指標を基に算出され、
特に認知負荷の高いタスクにおける
子どもの潜在的な知的能力を示します。
一般知的能力指標(GAI)が高い子どもは、
抽象的な概念の理解や
複雑な問題解決に優れており、
学業全般で高いパフォーマンスを
発揮する傾向があります。
例えば、
一般知的能力指標(GAI)が高い子どもは、
国語の読解問題で、長文の中から重要なポイントを見つけ出し、
論理的にまとめることが得意です。
また、数学でも複雑な問題に対して
独自の解法を見つけ出すことができるでしょう。
一方、一般知的能力指標(GAI)が低い場合、
知的な処理に時間がかかり、
難解な問題に対して
適切なアプローチが見つからないことがあります。
《認知熟達度指標(CPI: Cognitive Proficiency Index)
認知熟達度指標(CPI)は、
情報処理の効率性を評価する指標です。
認知熟達度指標(CPI)は、
ワーキングメモリ指標(WMI)と
処理速度指標(PSI)を基に算出され、
子どもが情報をどの程度効率的に処理し、
それを実際の作業にどう活かすかを示します。
認知熟達度指標(CPI)が高い子どもは、
迅速かつ正確に情報を処理し、
複数のタスクを効率的に管理する能力に優れています。
認知熟達度指標(CPI)が高い子どもは、
試験や宿題などの課題を迅速に処理し、
時間内に高い精度で完了させることができます。
たとえば、認知熟達度指標(CPI)が高い子どもは、
数学のテストで
複数の計算問題を短時間で正確に解くことができ、
試験全体での得点が高くなる可能性があります。
また、複数の宿題を同時に処理する際にも、
効率的に時間を管理し、
すべての課題を期限内に終えることができます。
逆に、認知熟達度指標(CPI)が低い子どもは、
課題の処理に時間がかかり、
しばしば時間内に完了できないことがあるため、
学業に対するストレスが増える可能性があります。
WISC-V(ウィスク5)検査における補助指標は、
子どもの認知能力を
多角的に評価するために非常に重要です。
量的推理指標(QRI)は数量的な推論力、
聴覚ワーキングメモリ指標(AWMI)は聴覚的なワーキングメモリ、
非言語性能力指標(NVI)は非言語的な問題解決能力、
一般知的能力指標(GAI)は全体的な知的能力、
そして認知熟達度指標(CPI)は情報処理の効率性を測定します。
これらの指標から得られる情報は、
子どもの学業成績や日常生活における強みと弱みを理解し、
適切なサポートや指導を提供するための
貴重な手がかりとなります。
その結果、これらの結果を活用して、
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補助指標について理解しているので
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松陰高等学校 高松校・丸亀校
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