心理士カウンセラーのブログ

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【チック症の原因と学校生活での対応方法について】

2024.10.28

チック症は、中学生や高校生などの思春期の子どもたちに多く見られる神経系の症状で、

無意識のまばたき

顔の動き

肩をすくめる

声を出すなど

繰り返し行われる動きや発声が特徴です。

この症状は、本人だけでなく、その周りの人々にとっても理解しづらいものであり、

子どもたちが学校生活の中で悩みやストレスを抱える原因となることが少なくありません。

ここでは、チック症の原因

そして、学校生活でどのように対処すれば良いのか?

具体的な方法について詳しく解説していきます。

《チック症とは?》

チック症とは、神経系の問題により、無意識のうちに特定の身体の動作や

音声を発する症状を指します。

これらの動作や音声は「チック」と呼ばれ、

突然で反復的、かつ目的がないものです。

チック症は、一時的なものもあれば

持続的に現れるものもあります。

チック症には、

運動チック(身体の動き)

音声チック(音を発する)

があり、それぞれが独立して現れたり、同時に現れることもあります。

《チック症の分類》

チック症は主に以下のように分類されます。

①一過性チック症

一時的にチックが現れるもので、通常1年以内に消失します。

子どもの場合、最も多く見られるタイプです。

②慢性チック症

1年以上持続するチック症で、運動チックや音声チックのいずれか

が現れる場合を指します。

③トゥレット症候群

複数の運動チックと少なくとも1つの音声チックが1年以上続く状態で、

トゥレット症候群と診断されます。

《チック症の原因》

チック症の原因については、まだ完全には解明されていませんが、

いくつかの要因が関与していると考えられています。

【遺伝的要因】

チック症は、遺伝的な要因が関与していると考えられています。

家族の中にチック症やトゥレット症候群、強迫性障害などがある場合

子どもにチックが発症する可能性が高くなります。

遺伝子がどのようにチックに影響を与えるかについての研究は進行中ですが、

神経伝達物質であるドーパミンのバランスの異常が関連しているとされています。

【環境的要因とストレス】

チックはストレスや不安が引き金となって悪化することが知られています。

例えば、

学校での成績プレッシャー、人間関係の問題、新しい環境への適応など、

ストレスフルな状況がチックの頻度や強度を増加させることがあります。

また、急な生活の変化や家族間の問題なども子どもにとって大きなストレスとなり、

チックの原因や悪化要因になる可能性があります。

【神経生理学的要因】

神経伝達物質(特にドーパミンやセロトニン)の不均衡が、

チック症状の発生に関与しているとされています。

ドーパミンは脳内で運動や感情に関連する働きを担う重要な物質であり、

その過剰な活動や受容体の感度の異常がチック症状の発症につながると

考えられています。

《学校生活におけるチック症の子どもへの対応》

チック症の子どもにとって、学校生活は大きなストレスの場となることがあります。

特に、

周囲からの理解が不足していると、子どもは自身の症状を恥ずかしく感じ、

引きこもりや不安、うつ状態に陥る可能性があります。

そこで、学校生活の中で気をつけるべき点や具体的な支援方法を以下に示します。

1.周囲の理解を促進する

チック症に対する周囲の理解を深めることが、子どもにとって最も重要なサポートになります。

教員、クラスメイト、家族がチック症について正しく理解することで、

子どもが学校で感じるストレスを大幅に軽減できます。

<教師の理解と支援>

教師はチック症が意志の力で止められないものであることを理解し、

子どもに対する否定的な反応や不必要な注目を避けるようにします。

また、教師自身がチックに関する知識を持つことで、クラス全体の

理解を促すことができます。

<クラスメイトへの啓発>

チックについて簡単な説明を行い、チック症を持つ子どもに対する

からかいや批判がないように注意します。

プライバシーに配慮しながら、クラス全体でサポートできる環境を作ることが重要です。

2.ストレスを軽減する環境作り

学校生活でのストレスは、チックを悪化させる要因の一つです。

できるだけリラックスできる環境を提供することが、

症状の緩和に繋がります。

<リラックスできるスペースの提供>

子どもがチック症状が強くなったときに、一時的に休める場所を提供することで

安心感を与えることができます。

静かな場所で数分間リラックスすることで、チックの頻度を減らすことが期待されます。

<ストレスマネジメントの指導>

呼吸法や簡単なリラクゼーション技術を教えることで、子どもが自分でストレスを

コントロールできる力を養うことができます。

3.学校の対応の柔軟性

チック症の子どもには、時に特別な対応が必要です。

柔軟な対応を行うことで、学校生活がより快適になることがあります。

<テストや授業での配慮>

チック症状が強い時には集中力が落ちることがあるため、テストの時間を延長したり

別室で受験できるように配慮することが有効です。

また、発表や朗読などの場面でも、子どもの負担を軽減するために柔軟な対応が求められます。

<宿題や課題の量の調整>

チック症の子どもにとっては、疲労やストレスがチックの悪化に繋がるため、

宿題の量を減らすなどの対応も考慮されるべきです。

4.家族との連携

家族と学校が連携し、子どもの状況について情報を共有することは、

効果的なサポートにつながります。

<定期的なコミュニケーション>

保護者と教師が定期的に連絡を取り合い、学校での子どもの様子や家庭でのサポートについて

話し合うことが重要です。

<家庭でのストレス管理>

家庭でもリラックスできる環境を整え、チックを悪化させるストレスを取り除くことが大切です。

家庭でのリラックス法の実践や、余暇活動の工夫を通じて、子どもの心の安定を図ります。

《チック症の治療とサポート》

チック症の治療には、薬物療法や行動療法などがあります。

どの治療が適しているかは個々の状況により異なるため、

専門医と相談しながら適切な治療方法を選択します。

1.薬物療法

薬物療法は、チック症状が生活に

重大な支障をきたす場合に検討されます。

ドーパミンの活動を抑える薬が処方されることが多く、

これにより症状を軽減することが期待されます。

ただし、副作用のリスクもあるため、使用には慎重な判断が必要です。

2. 認知行動療法(CBT)

認知行動療法(CBT)は、チック症状に対する不安やストレスを

軽減するための有効な治療方法です。

特に、ハビットリバーサルトレーニング(HRT)

という技法が効果的であり、

チックが起こりそうになったときに代わりに行える動作を学ぶことで、

チックを抑制することを目指します。

3. 家族療法

家族全体でチック症に対する理解を深め、サポートするための療法です。

家族が子どもの症状を受け入れ、適切な支援を行うことで、

子ども自身のストレスを軽減し、症状の改善につながります。

《チック症の子どもが自分らしく生きるために》

チック症の子どもたちが安心して生活を送るためには、学校や家庭、医療機関が連携して

サポートを行うことが重要です。

子どもに合った支援や環境を整え、周囲が理解を深めることで、子どもが自分自身を肯定し、

自信を持って生活できるようになります。

<自己肯定感の育成>

チック症の子どもは、自分の症状について周囲から誤解されたり、からかわれたりすることで

自己肯定感が低くなることがあります。家庭や学校で、子どもが持つ他の良い面に注目し、

認めることで自己肯定感を育むことが大切です。

<子どもの強みを見つける>

学業やスポーツ、芸術など、チックとは無関係の分野で子どもの強みを見つけ、それを伸ばすことで自

信を持たせることができます。強みを活かした活動に集中することで、チックのことを忘れる時間を作

ることが可能です。

チック症は多くの子どもにとって学校生活を難しくする要因ですが、適切な支援と理解があれば、

子どもたちは安心して成長し、自分らしい生活を送ることができます。

チック症の原因は多岐にわたりますが、学校や家庭でのストレスを軽減し、

柔軟な対応を行うことで症状の改善が期待できます。

学校と家庭が一体となって子どもを支え、ポジティブな環境を提供することが、

チック症の子どもたちにとって最も重要なサポートです。

すべての子どもが自分のペースで成長し、自信を持って未来を築いていけるように、

学校・家庭・医療機関が協力して取り組むことが大切です。

子どもたちの未来が、豊かで明るいものとなるよう、周囲の理解と支援を惜しんではなりません。

なお、松陰高等学校 高松校・丸亀校では

チック症の子どもが安心して高校生活を送り、

そして、3年後の自立を目指していけるよう

サポートしています。

また、職員全員が、チック症の症状や対応法について

理解しているので、お悩みの方は是非、

松陰高等学校 高松校・丸亀校まで

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