心理士カウンセラーのブログ

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【「学校に行けない」その理由をWISC‑Ⅴ検査が解き明かします】

2025.04.15

「朝になると頭痛や腹痛を訴えて登校できない」

「教室に入ろうとすると涙があふれる」

「勉強は嫌いじゃないのに提出物が出せない」

不登校を抱えるお子さまを支える保護者の方から、

毎日のように届く切実な声です。

けれども、

その“行けない”の背景に脳の情報処理の偏りが潜んでいる

ことが少なくありません。

その偏りを客観的に“見える化”してくれるのが

 WISC‑Ⅴ(ウィスク・ファイブ)検査 です。

ここでは

WISC‑Ⅴ検査で分かること

検査結果をどう読み解き、学習環境に活かすか

当校(松陰高校)の具体的サポート事例

を解説します。

《WISC‑Ⅴ検査とは?》

子どもの“脳内プロフィール”を可視化することができる

WISC‑Ⅴ(Wechsler Intelligence Scale for Children‑Fifth Edition)検査は、

5歳0か月~16歳11か月を対象とした世界標準の知能検査です。

WISC-Ⅴ検査の各指標と、測っている主な力や

関係しやすい困りごとは以下の通りです。

言語理解指標(VCI)

語彙・抽象概念能力          

国語の記述・口頭説明が苦手

視空間指標(VSI)

図形・空間認知能力

作図・板書写しが遅い

流動性推理指標(FRI)

パターン発見・論理能力

国語や算数の文章題で混乱

ワーキングメモリ指標(WMI)

聴覚・視覚の一時記憶能力

指示をすぐ忘れる/計算ミス

処理速度指標(PSI)

単純作業の速さ正確さ

テスト時間が足りない、ケアレスミス

このように5つのスコアの凹凸=プロファイルを読むことで

「教室に入れない」

「授業が苦痛」

など表面に現れる行動の“なぜ?”を突き止められます。

《不登校・発達障害と WISC‑Ⅴ-典型プロファイル3例》

1)PSI 低め × VCI 高め

<特徴>

頭の中では理解できるが書く・写すが追いつかない

<よくある悩み>

「黒板を書き写す前に次のページへ」「テストで時間切れ」

2)WMI 低め × FRI/VSI 高め

<特徴>

ひらめきは鋭いがマルチタスクが極端に苦手

<よくある悩み>

「複数の指示でパニック」「授業後の課題を忘れる」

3)VCI 低め × PSI 平均

<特徴>

言語での説明や読解が苦しいが作業はそつなくこなす

<よくある悩み>

「国語・英語の長文が頭に入らない」「口頭発表が怖い」

これらの“見えないハードル”を越えられないまま

学級という集団に放り込まれると、

不登校や二次障害(うつ・不安)につながりやすいのです。

《WISC‑Ⅴの結果を「強み」に変える3ステップ》

ステップ①

まずは数値を感覚に置き換える

「WMI 75」「PSI 80」などの得点は

専門家にかみ砕いてもらい、

“一度に○個以上の指示は混乱”など

行動レベルに翻訳しましょう。

ステップ②

環境調整で苦手をカバー

低 WMI → 指示は1文ずつ/ToDoリスト化

低 PSI → 試験時間の延長/ICT で入力補助

高 VSI → 図解・動画教材で理解促進

ステップ③

通信制高校でペースを最適化

松陰高校では

・選択的登校+適宜オンライン

・レポート締切の個別調整

・カウンセラーや相談員常駐

により、プロファイルに合わせた時間割を組み立てます。

《松陰高校での実践例_“行けない”が“行きたい”に変わるまで》

Aさん(中2から不登校)

・言語理解指標(VCI)120 

・処理速度指標(PSI)78

本人の課題は、テストで時間切れになってしまうこと。

答えが分かってはいるのに、筆記の時間が足りないというのが問題でした。

また、学校の授業においてもノートを取り終わる前に

先生が黒板を消してしまうという悩みがありました。

対策としては、書字の時間を延長したり

音声で文字おこしをしたりした。

その結果、週3で通学でき

国語のテストではなんと学年で1位をとった。

Bくん(高1 発達性協調運動障害)

・視空間指標(VSI)125

・ワーキングメモリ指標(WMI)70

目と手の協応動作が上手くいかずに

学校の授業において、板書を写すことで疲弊していた。

また、なにかの作業をする際も

ワンテンポどころかツーテンポ、作業の開始に遅れてしまうため

結果として、クラスの皆が終わっていることでも

終わることがなかった。

書字の負担を軽減した結果、

自分に自信を持つことができて

ロボットコンテストで入賞する。

Cさん(中3 起立性調節障害)

・流動性推理指標(FRI)130

・処理速度指標(PSI)82

中2から朝、起きられず欠席が多くなった。

松陰高校では登校を段階的に

柔軟に設定し、最終的には出席率95%まで上昇した。

学習についても少しずつ自信を持ち、

数学検定にも挑戦し、みごと合格を勝ち取った。

このように“学校に行けない理由”は

本人の「サボり」でも「かまけ」でもなく

認知特性と環境のミスマッチになります。

そのため本人の特性をWISC‑Ⅴ検査で可視化し、

松陰高校のの柔軟性で調整すると

「行ける・続けられる・伸びる」へと反転します。

《よくある質問(FAQ)》

ここで、松陰高校によく寄せられる質問について

お応えいたします。

Q1. WISC‑Ⅴ検査をまだ受けていません。入学できますか?

A. 可能です。ご希望であれば、入学後に当校提携の心理士が

検査を実施し、その検査結果を学習計画に反映します。

Q2. 公立の中学に検査結果を共有してもらえますか?

A. ご希望に応じて、保護者様同席の上、

学校や医療機関へレポートを提出し、連携を図ります。

Q3. 学費が心配です。

A. 就学支援金・自治体の授業料軽減制度を活用できます。

面談の際、シミュレーションいたします。

《「行けない」は才能のサインかもしれません》

WISC‑Ⅴ検査は不登校・発達障害の真因を可視化します。

そして、その検査結果の数値を行動に翻訳し、

環境をカスタマイズします。

そのカスタマイズは、松陰高校なら

時間・場所・方法などを自在に調整できるのです。

「学校に行けない」はゴールではなくスタートライン。

松陰高校はWISC‑Ⅴ検査を羅針盤に、

お子さまの“強みが光る学び方”を

一緒にデザインします。

まずは、個別相談や説明会へ

お気軽にお越しください。

発達障がいがあっても

中学時代に不登校だったとしても、

未来は選べます。

WISC‑Ⅴ検査で理由を解き明かし、

“行ける学校”ではなく

“行きたくなる学校”で新しい一歩を踏み出しましょう。

《最後に…》

松陰高等学校 高松校・丸亀校では

WISC-Ⅴ(ウィスク5)検査や

WISC-Ⅳ(ウィスク4)検査の結果を元に

お子さんにとっての

ベストな教育環境や指導方針を組み立てています。

また、ご希望の方は、松陰高等学校 高松校・丸亀校でも

WISC-Ⅳ(ウィスク4)検査を実施しています。

どんな子どもでも

さまざまな特性があります。

その特性は

子どもを苦しめるだけではなく

使い方を変えれば

大きな武器になるのです。

WISC-Ⅳ(ウィスク4)検査をもっと活かしたい方は

いつでもお気軽にご連絡ください。

お待ちしております。

また、WISC-Ⅴ(ウィスク5)検査や

WISC-Ⅳ(ウィスク4)検査を

ご自身でとれるようになりたい先生は

WISC-Ⅴ(ウィスク5)検査のとり方や

WISC-Ⅳ(ウィスク4)検査のとり方も

お教えしています。

その場合もお気軽にお問い合せください。

では。。。

松陰高等学校 高松校・丸亀校

☎087-813-3781

✉info@kagawa-mirai.jp

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