心理士カウンセラーのブログ

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【公立の通信制高校と松陰高校の違い】

2025.01.07

「高校には進学したい」

しかし、中学校時代に不登校を経験した生徒は

ちゃんと通学できるか心配・・・

そのように考えがちです。

そして、発達障がいやグレーゾーンなど

特性のある生徒も

たくさんの同級生と同じ空間で

授業を受けることができるのだろうか・・・と

全日制への高校進学を躊躇しがちです。

そこで、近年、公立の通信制高校を

進学先の第一希望とするご家庭が増えています。

さて、本当にその選択肢で良いのでしょうか?

ここでは、公立の通信制高校と

通学型の通信制高校である松陰高校との違いについて

ご説明いたします。

《不登校や発達障がい、HSCの生徒が抱える課題とは…》

中学校時代に不登校傾向だった子どもや

発達障がい傾向、HSC(Highly Sensitive Child)などの

特性を持つ子どもは、さまざまな事情や要因によって

「毎日学校に通うことが難しい」

「集団生活や対人関係に大きなストレスを感じる」

「課題をこなすペースがほかの生徒と違う」

といった課題を抱えています。

中でも、以下のようなポイントが

大きな壁となりがちです。

●毎日の通学が難しい

朝早く起きて学校へ行くことや、

学校での人間関係に強い疲れや不安を抱える場合、

通学が負担になってしまいます。

登校拒否の原因が学業よりも

「教室の雰囲気」や「友だち関係」

である場合も少なくありません。

●学習の進度や学習方法の違い

発達障がいのあるお子さんの中には、

計画的に学習を進めることが苦手だったり、

逆に得意分野は異常なほど集中して取り組めたりと、

極端な面があります。

またHSCのお子さんは周囲の刺激に敏感なため、

集団の中では集中力を保ちづらいという場合があります。

●対人関係のストレス

HSCや発達障害のあるお子さんが

もっとも負担に感じるのは、

対人関係による心理的ストレスです。

人混みや大勢の人が話す声、教室の騒音、

体育祭や文化祭といった

行事の人間関係などが苦手で、

疲れや不調を招くことがあります。

●自己肯定感の低下

不登校になってしまうと

「学校に行けていない自分はダメなんじゃないか」

「みんなと同じようにできない自分はおかしいのかも」と、

自信を失ってしまいやすい傾向にあります。

これは学習意欲にも影響を与え、

さらなる不登校や引きこもりの状態を招きかねません。

こうした課題をもつお子さんが、

中学卒業後にどのような進路を選ぶかは

とても重要なポイントです。

全日制高校に進学できる状態ではない場合や、

もう少し余裕をもって学習を進めたい場合は

「通信制高校」という選択肢が浮上します。

しかし、通信制高校とひと口に言っても、

公立と私立ではサポート体制や

在籍時のカリキュラムが大きく異なります。

《通信制高校の仕組みと必要要件》

通信制高校は、主に以下の3つを

こなすことで単位を修得して、高校卒業資格を目指します。

①レポート提出

各教科ごとに定期的に出される

学習課題(レポート)を提出して、採点してもらいます。

紙媒体のところもあれば、

オンラインで完結するところもあります。

通信制高校の根幹は「自学自習」ですので、

レポートをコツコツと仕上げることが

もっとも基本的かつ重要な作業となります。

②テスト(単位認定試験)

レポートを一定数提出すると、

単位認定試験が行われます。

この試験に合格しないと

単位は認められません。

そのため、テスト対策は

通信制高校での学習において大きなウェイトを占めます。

③スクーリング(面接指導)

一般的には月数回、または年数回など

日数は各学校によってさまざまですが、

学校に実際に登校して

直接授業を受ける時間や

実技科目の指導を受ける時間が設けられます。

このスクーリングに決められた日数出席しないと、

レポート提出やテストを合格していても

単位が修得できない場合が多いです。

こうしたシステム自体は、

公立・私立を問わず共通しています。

しかし、公立通信制と私立通信制では、

学習指導の「濃さ」や「サポートの幅」

にかなり違いがあるのです。

《公立の通信制高校の特徴》

公立の通信制高校は、

学費が安いという大きなメリットがあります。

学費は基本的に入学金・授業料が比較的低額で、

家庭の経済的負担も少なく抑えられます。

その一方で、以下のような特徴があります。

●サポート体制が限られる

公立の通信制高校は、

どうしても予算や人的資源の制限があり、

きめ細かい個別対応をするのが難しいことがあります。

スクーリングの回数は月3回~4回程度のところが多く、

登校する日以外では

学習支援や相談対応が充実しているとは限りません。

●年間のレポート枚数が多い

学校によって多少の差はありますが、

100枚前後のレポートを

年間で提出しなければいけないケースも珍しくありません。

自主的にしっかりと計画を立てて

取り組める生徒なら問題ありませんが、

不登校傾向の生徒さんや発達障害の特性を持つ生徒、

HSCの生徒の場合は、

膨大な量のレポートを

自学自習でこなすのは相当なハードルです。

●スクーリングの振替が厳しい

多くの公立通信制高校では、

スクーリング日はあらかじめ設定されており、

その日に出席できない場合の振替やフォローが限定的です。

そのため、体調不良や心身の不調で当日行けなかったりすると、

単位の修得に影響が出る可能性があります。

●テスト対策が自己責任になりがち

公立は学費が安い反面、

フォロー体制にも限界があります。

テストに向けた補講や個別指導などが少なく、

レポートの分からない箇所や

テスト範囲を重点的にカバーするといった

細やかな支援を受けにくいのです。

不登校傾向のあるお子さんや、

体調・メンタル面で波のあるお子さんには

「必要最低限の登校回数で高校卒業資格を得たい」

というニーズがあるかもしれません。

ただし、そのためには自主的かつ継続的な学習を

コントロールする必要があることを知っておくべきです。

サポートが薄い環境で

これをやり遂げられるかどうかが

大きなポイントになります。

《松陰高校の特徴》

通信制高校である松陰高校は、

公立に比べて学費が高くなりがちです。

しかし、充実したサポート体制や、

生徒一人ひとりの特性に合わせた

柔軟な対応を行っているという利点があります。

以下に主な特徴をまとめます。

●柔軟な通学スタイルが可能

週1回、週2回、もしくは全日型に近い

週5回通学するコースまで、

多彩な通学スタイルを選べます。

●スクーリングやレポートのフォローが充実

学習支援や補講の時間を

しっかり確保しているので、

レポート作成に行き詰まったときは

先生に気軽に相談しやすい雰囲気があります。

また、テストに向けた対策や

少人数制の指導を行っているケースもあるので、

勉強についていけなくなるリスクを下げられます。

●カウンセリングやメンタルサポートがある

不登校や発達障害、HSCのお子さんの

特性を理解したカウンセラーや心理士、

専門スタッフが在籍しています。

保護者の方も交えて面談を行いながら、

お子さんの心身状況や学習進度を

総合的に支えてくれるのは松陰高校ならではの強みです。

●進学や就職へのサポートが手厚い

松陰高校は進路指導の担当をちゃんと配置し、

大学進学や専門学校進学、

就職支援など幅広い進路をカバーしています。

公立の通信制高校でも進学や就職対策は行いますが、

どうしても自分から積極的に動かなければ

サポートを得にくい現状があります。

《公立・松陰高校それぞれのメリット・デメリット》

●公立の通信制高校

メリット

学費が安い、周囲からの認知度が高い

デメリット

フォローや個別対応が限定的、

自己管理能力が強く求められる、

スクーリング日の振替が難しい、

人間関係で問題を抱えることも多い

●松陰高校

メリット

サポート体制が充実、コース選択の幅が広い、

個々の特性への理解と配慮がある、

メンタルサポートや進学・就職サポートが手厚い

学習以外の活動も充実

デメリット

学費が高め

《なぜ、松陰高校に進学する生徒が多いのか》

このように、公立の通信制高校と

松陰高校にはそれぞれに特徴があります。

もしお子さんが

「登校回数があまりに多いのは難しいが、

何らかの形で人とつながりながら学びたい」

「自分のペースで学びつつ、

必要なときにはサポートを受けたい」

といったニーズを持っている場合、

松陰高校を選んだほうが

「卒業までの道のり」が見えやすい可能性が高いのです。

実際に、「入学はしたものの、

公立の通信制高校のフォロー不足で

レポートをためこんでしまい、

結局は単位が取れずに留年してしまう」

「スクーリング日を欠席して単位を落とす」

というケースも珍しくありません。

不登校や発達障害、HSCのお子さんは、

心身のコンディションが

日によって大きく変わることが多く、

毎回決まった日に確実に登校することが難しい場合があります。

そのため、柔軟な対応が可能な

松陰高校のほうが合っているのです。

加えて、松陰高校では、

心理カウンセラーや特別支援教育の

専門スタッフを配置しているので、

学習面だけでなく

メンタル面のフォローも受けやすい点が魅力です。

特にHSCや発達障害の特性を持つお子さんの場合、

カウンセリングの有無が

学校生活の継続に大きく関わるので、

このサポートの重要性は極めて大きいと言えます。

《実際に松陰高校に通う生徒の声・事例紹介》

ここで、私立の通信制高校に在籍し、

卒業を目指している生徒の例をいくつかご紹介します。

事例1: 不登校から週2回通学コースへ

中学時代に人間関係のトラブルがきっかけで

不登校になったAさんは、

全日制高校に通うことへの不安が大きく、

公立の通信制高校も検討しました。

しかし、月に3回しか登校日がなく、

スクーリング日を逃すと

単位修得が難しくなるリスクを知り、

松陰高校 高松校を選択。

通学には不安がありつつも

体調面には柔軟に対応してもらえ

なんとか通学できている。

また、体調が優れない時のレポートは

元気になってから先生と一緒に追い上げるなど

上手くコントロールしてもらっている。

さらには、カウンセリングも

月1回受けられるため、

不安が大きくなる前にこまめに解消できている。

事例2: 発達障害グレーゾーンのBくん

ものごとを計画的に進めることが苦手で、

興味がない教科には全く手がつかずに

放置してしまう傾向があったBくん。

松陰高校 丸亀校では、

レポートに取り組むサポートの時間帯を設けてもらい、

担当教員が一緒に課題を計画・進行管理しています。

また、本人が「わからない」と言葉にしなくても、

サポート教員が“そろそろ声かけしてあげよう”と

フォローしてくれるので、

レポート課題の締切を過ぎてしまうことが激減し、

学習意欲が保たれています。

事例3: HSC気質が強いCさん

集団の中にいること自体が

大きなストレスになりがちで、

体調不良で休みがちだったCさん。

スクーリングは体調に合わせて

柔軟に対応してもらい

無理なく学習を続けている。

必要に応じて静かな別室で

休めるような環境も整えてもらっている。

松陰高校では、HSCに配慮した席のレイアウトを

実施しているため、

「みんなに合わせる」プレッシャーが軽減され、

出席率も向上しています。

このような不登校傾向や

発達障害の疑いがあるお子さん、

HSCのお子さんは、

従来の全日制高校での学習環境に

大きな不安や苦手意識を持つことが多いです。

そうした中で「通信制高校」は、

一人ひとりのペースに合わせて

学習できる有効な選択肢となりえます。

しかし、通信制高校にも公立と私立があり、

その特徴やサポート体制には大きな差があります。

公立の通信制高校は

学費が安く手軽に始められる一方、

フォローや柔軟な対応が限られており、

生徒自身の自主性・自己管理能力が強く求められます。

レポートの多さやスクーリングの欠席への

振替が難しいなどの事情から、

不登校や発達障害、HSCのお子さんには

ハードルが高くなる場合が少なくありません。

私立である松陰高校は

学費という面でデメリットはあるものの、

サポート体制の充実、

柔軟な学習形態、

メンタルケアの充実、

進路指導の手厚さなど、

卒業率を高めるための環境が整っています。

以上のことから、お子さんの学習スタイルや特性、

サポートの必要性を総合的に判断して、

高校卒業資格を最終的に得やすいかどうかを

基準に学校選びをおこなうことを強くお勧めします。

中には「公立の通信制高校で

しっかり自学できるほどの自主性があり、

対人ストレスが少なく、

レポート提出もテストも問題なくこなせる」

という生徒さんもいるでしょう。

その場合には公立でも十分に卒業可能です。

一方で「体調やメンタルが不安定で、

支援が手厚くないとレポートやテスト準備が厳しい」

「スクーリングが少ないのは

逆に調整が難しい」などの場合は、

松陰高校を選ぶメリットが大きいと言えます。

結果的に「単に入学するだけ」でなく、

「無理なく卒業まで進み、

その先の進路や人生へ確実につなげる」

という視点こそが重要です。

学校側の雰囲気やサポート体制、

スタッフの専門性などは、

実際に問い合わせをしたり、

見学や説明会に参加したりしないと

わからない部分が多いため、

親御さんにはできるだけ情報を集め、

慎重に検討していただきたいと思います。

松陰高等学校 高松校・丸亀校では

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松陰高等学校 高松校・丸亀校

☎087-813-3781

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